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ピックルボールという名前の由来|犬のピクルス説は本当か

公開日: 2026-08-21

「ピックルボール」——ピクルス(漬物)のボール。明らかに不思議な名前です。

この名前の由来には、有名な2つの説があります。

  1. 創始者の飼い犬「ピクルス(Pickles)」から取った
  2. ボート競技の「ピックルボート」から取った

ネット上では今も両方が並んで紹介されています。しかし、USA Pickleballの公式見解は、すでにはっきりしています。

結論|公式見解は「ピックルボート説」

USA Pickleballの公式ページ「How Pickleball Got Its Name」は、次のように述べています。

ピックルボールが1965年の夏にジョーン・プリチャードによって始められ、そして名付けられたことは、争う余地のない事実である。

そして、犬の説については明確な反証が示されています。

その犬は1968年生まれで、ピックルボールが最初にプレーされ、名付けられた3年後である。

名前が付いた3年後に生まれた犬から名前を取ることはできません。 これが公式サイトの示す決定的な根拠です。

同ページは、プリチャード家の説明——ピックルボートに由来する——を正しい版として提示しています。

そもそもピックルボールはどう生まれたのか

USA Pickleballの公式サイトによると、1965年、アメリカ・ワシントン州のベインブリッジ島、ジョエル・プリチャードの自宅で、3人の男性がこの競技を作りました。

人物肩書き
ジョエル・プリチャード連邦議会議員
ビル・ベル実業家
バーニー・マッカラム

きっかけは偶然でした。バドミントンの用具が見つからなかったため、その場にあったもので即興的に始めたのです。公式サイトは「ピンポンのパドルと穴の開いたプラスチックボールで、即興で遊び始めた」と記述しています。

この即興が、現在の競技規格にそのまま残っています。

誕生時の事情現在の規格
既存のバドミントンコートを使ったコートは 20ft × 44ft。バドミントンのダブルスコートと同寸法(規則3.A.1)
ネットを36インチまで下げたネットのサイドライン上の高さが36インチ(91.44cm)(規則3.B.6)
卓球のパドルを使った用具はラケットではなくパドル
穴の開いたプラスチックボールを使ったボールは26〜40個の円形の穴(ESM 2.D.8)
ピックルボール、バドミントン、テニスのコートを同じ縮尺で重ねた比較図。ピックルボールとバドミントンはどちらも20×44フィートで同寸法、テニスは36×78フィートでおよそ3.2倍の面積
コートがバドミントンと同寸法なのは、バドミントンコートで生まれたため

60年前の「その場しのぎ」が、そのまま公式規格になっている——これがピックルボールの面白いところです。詳しい寸法はコートサイズ・ネットの高さ完全ガイドにまとめました。

「ピックルボート」とは何か

名前の由来となったピックルボート(pickle boat)は、ボート競技(クルー)の用語です。

USA Pickleballの公式ページによると、ジョーン・プリチャードは、大学のボート部で 「レギュラーから漏れた漕ぎ手たち(leftover non-starter oarsmen)」 が、楽しみのために別レースを組んで競った——その舟を指す言葉として説明しています。

**「余った選手の寄せ集めで組んだ舟」**です。

なぜこれが競技名になったのか。ピックルボール自体が、バドミントン・卓球・テニスから要素を寄せ集めて作られた競技だからです。実際、2026年版公式ルールブックのSection 1も、次のように定義しています。

ピックルボールは、バドミントン、卓球、テニスの要素を組み合わせたパドルスポーツである。

「寄せ集めのスポーツ」に「寄せ集めの舟」の名を付けた——名づけとしては非常に的確です。

他競技との関係はピックルボールとテニス・卓球・バドミントンの違いで詳しく比較しています。

では、なぜ犬の説が広まったのか

ここが最も面白い部分です。犬の説を広めたのは、創始者本人でした。

USA Pickleballの公式ページによると、ジョエル・プリチャードは記者に対し、「面白い話として」犬にちなんで名付けられたと書くことを提案しました。

そのとき彼はこう言ったと記録されています。

「心配ない、ただの面白い話だ。定着することはないよ。

定着しました。 60年経った今も、世界中で語り継がれています。

プリチャード自身は後年、この競技が犬にちなんで名付けられたものではないことを認めています。

ただし、証言は割れている

話をややこしくしているのが、共同創始者の一人、バーニー・マッカラムの存在です。

公式ページは、**「バーニーは死ぬまで、名前の由来は犬のピクルスにあると主張し続けた」**と記しています。

創始者3人のうち1人は、最後まで犬の説を支持していた——だからこそ、この話は単純な「誤情報」で片付けられません。

支持者根拠
ピックルボート説ジョーン・プリチャード、ジョエル・プリチャード(後年)、USA Pickleball公式命名者本人の説明。犬は1968年生まれで、命名の3年後
犬のピクルス説バーニー・マッカラム(生涯主張)記者に語られた説が広く定着した

事実関係の整理

項目確認できること
誕生年1965年
場所米国ワシントン州ベインブリッジ島、ジョエル・プリチャード宅
創始者ジョエル・プリチャード、ビル・ベル、バーニー・マッカラム
命名者ジョーン・プリチャード(ジョエルの妻)、1965年夏
犬のピクルスの生年1968年(命名の3年後)
USA Pickleballの公式見解ピックルボート説が正しい
犬の説を最初に語った人ジョエル・プリチャード本人(記者に「面白い話」として提案)

よくある質問

Q. 結局、犬の説は嘘なのですか?

A. USA Pickleballの公式見解では、名前の由来としては誤りです。犬が1968年生まれで、命名の3年後だからです。ただし犬のピクルスは実在しました。ピックルボールで遊んでいた犬でもあります。「実在しない犬をでっち上げた」わけではありません。

Q. なぜ長い間「諸説ある」とされてきたのですか?

A. 創始者の一人であるバーニー・マッカラムが、生涯にわたって犬の説を主張していたためです。当事者の証言が食い違っていたため、長く決着がついていませんでした。

Q. 日本語の記事は犬の説が多いようですが?

A. 犬の説のほうが物語として魅力的なため、広く引用され続けています。出典を確認せずに孫引きされているケースが多いのが実情です。

Q. 「ピックルボート」は今もある競技用語ですか?

A. ボート競技の用語として使われてきた語です。本記事では、USA Pickleball公式ページに記載された説明(レギュラーから漏れた漕ぎ手が楽しみのために組んだ舟)に基づいています。

Q. 日本語では「ピックルボール」と「ピクルスボール」どちらが正しいですか?

A. ピックルボールです。ピックルボール日本連盟も、この表記を用いています。

Q. なぜコートがバドミントンと同じ大きさなのですか?

A. 誕生時に既存のバドミントンコートを使ったためです。60年前の即興が、そのまま公式規格として残っています。

まとめ

  • ピックルボールは 1965年、ワシントン州ベインブリッジ島で誕生
  • 名付け親は ジョーン・プリチャード(1965年夏)
  • USA Pickleballの公式見解は「ピックルボート(寄せ集めの舟)説」
  • 犬のピクルスは1968年生まれ。命名の3年後なので、由来にはなり得ない
  • 犬の説を最初に語ったのはジョエル・プリチャード本人。「定着しない」と言ったが定着した
  • ただし、共同創始者バーニー・マッカラムは生涯、犬の説を主張した
  • コートがバドミントンと同寸法、ネットのサイドが36インチなのは、誕生時の即興がそのまま残っているため

由来を知ったら、次は打ってみてください。

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競技の全体像はピックルボールとは?、ルールはピックルボールのルールを図解で解説をご覧ください。


参考文献

いずれも2026年8月21日に内容を確認しています。

注記: 名前の由来については、長く「諸説ある」とされてきました。本記事はUSA Pickleballの公式ページに記載された見解と根拠に基づいて整理したものです。共同創始者バーニー・マッカラムが生涯にわたり犬の説を主張していたことも、同じ公式ページに記載されています。

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