本文へスキップ
ピックルボールMAP 施設検索
rules

ピックルボールのシングルスのルール|ダブルスとの5つの違い

公開日: 2026-08-21

ピックルボールはダブルスが主流です。日本の体験会やオープンプレーでも、ほとんどがダブルスで行われます。

ですが、シングルスも公式に認められた正式な形式です。大会でも男子シングルス・女子シングルスが種目として設定されています(規則15.A)。「2人しか集まらなかった」「一対一で打ち合いたい」というときに、ルールを知っていれば即座に試合ができます。

この記事では、2026年版USA Pickleball公式ルールブックをもとに、シングルスのルールをダブルスとの差分で整理します。

大前提|ほとんどのルールは同じ

まず安心してください。シングルスとダブルスで違うのは、ごく一部だけです。

項目シングルスダブルス
コートの広さ20ft×44ft20ft×44ft(同じ・規則3.A.1)
サーブの打ち方同じ(規則7.C/7.D)同じ
ツーバウンドルールあり(規則10.A)あり
キッチンのルールあり(規則11.A)あり
得点の仕組みサーブ側のみ加点(規則4.A)同じ
勝利条件11点先取・2点差(Section 1)同じ
サーブは対角へそのとおり(規則7.E)同じ

コートが狭くならないのが最大のポイントです。テニスはシングルスになるとサイドラインが内側に移りますが、ピックルボールは規則3.A.1で「シングルス・ダブルスのいずれの試合でも」20ft×44ftと明記されています。

ピックルボールコートの寸法図。全長44フィート、幅20フィート。シングルスでもダブルスでもこの寸法は変わらない。ネットの両側7フィートがノンボレーゾーン
シングルスでもコートの広さは変わらない(規則3.A.1)

つまり 1人で81.8㎡をカバーすることになります。ダブルスの倍です。ここからすべての違いが生まれます。

違い1|スコアコールは「2つの数字」

ダブルスは3つの数字を読み上げますが、シングルスは2つです。

シングルスでは、スコアはサーバーの点、レシーバーの点の2つの数字でコールしなければならない。各ゲームの開始時は「ゼロ・ゼロ」とコールする。(規則6.B.1)

形式コールの形開始時規則
シングルスサーバーの点 - レシーバーの点「0 - 0」6.B.1
ダブルス自チームの点 - 相手の点 - サーバー番号「0 - 0 - 2」6.B.2

シングルスにはサーバー番号が存在しません。1人しかいないので、1人目も2人目もないからです。ダブルスの「ゼロ・ゼロ・ツー」に悩まされた人にとっては、シングルスのほうがはるかに簡単です。

ダブルスのスコアの詳細は点数の数え方・サーブ順の完全図解にまとめています。

違い2|立ち位置は「サーバーの点数だけ」で決まる

ここがシングルス最大の特徴です。

サーバーとレシーバーの正しい位置は、サーバーの点数によって決まる。(規則5.A)

ダブルスでは、各チームがそれぞれ自分たちの点数を見て位置を決めます。シングルスは違います。レシーバーの位置も、サーバーの点数で決まるのです。

サーバーの点数が0または偶数のときは、右のサービングエリアからサーブし、相手の右サービスコートで受ける。サーバーの点数が奇数のときは、左のサービングエリアからサーブし、相手の左サービスコートで受ける。(規則5.A.1)

表にするとこうなります。

サーバーの点数サーバーの位置レシーバーの位置
0・2・4・6…(偶数)(サーバーから見て対角)
1・3・5・7…(奇数)(サーバーから見て対角)

レシーバーは自分の点数を見てはいけません。 相手(サーバー)の点数を見て、受ける側を決めます。ここを間違えると、正しくないレシーバーがリターンしたことになり、フォルトになります(規則5.C.1.c)。

覚え方: シングルスでは「サーバーの点が偶数なら、2人とも右」。

サーブを取り続けている間

プレーヤーは、ラリーを失うまで、1点取るごとに右と左のサービングエリアを交互に移りながらサーブを続ける。(規則5.A.2)

得点するたびに左右を入れ替えます。これはダブルスと同じ考え方です。

サイドアウトのタイミング

サイドアウトは、サーバーがラリーを失った時点で発生する。(規則5.A.3)

ここも重要な違いです。詳しくは次項で扱います。

違い3|1回失えば即サイドアウト

ダブルスでは、サイドアウト(相手にサーブ権が移ること)が起きるまでに2人ぶんのチャンスがあります。1人目がラリーを失っても、2人目にサーブが回ります(規則5.B)。

シングルスにはこれがありません。1回ラリーを失えば、その場でサーブ権が相手に移ります(規則5.A.3)。

形式サーブ権を失うまで規則
シングルス1回ラリーを失えば即サイドアウト5.A.3
ダブルス原則2人ぶん(各ゲーム最初のチームのみ1人ぶん)5.B

その結果、シングルスはサーブ権が激しく行き来します。1点の重みがダブルスより大きく、試合の展開が速くなります。

違い4|パートナー起因のフォルトが消える

ダブルスには、パートナーの存在に由来するフォルトがいくつもあります。シングルスではこれらが自動的に消滅します。

フォルトダブルスシングルス規則
ボレー時にパートナーを含む接触物がキッチンに触れたフォルト該当なし11.A.1
ボレー後の勢いで、キッチンに触れているパートナーに触れたフォルト該当なし11.A.2
2人が同時にボールを打ったフォルト該当なし10.D.2
正しくないレシーバーがリターンしたフォルト起こりにくい5.C.1.c

とくに規則11.A.1・11.A.2は、ダブルス初心者が知らずに犯しがちな反則です。キッチンに立っているパートナーに、ボレー後の勢いでぶつかっただけでフォルトになります。シングルスではこの心配が要りません。

キッチンのルール全般はルールの図解記事で解説しています。

キッチン(ノンボレーゾーン)のルールを対比した図。バウンド後ならキッチン内で打てるが、バウンド前のボレーは反則。ボレー後の勢いでキッチンに入るのも反則
キッチンのルールはシングルスでも同じく適用される(規則11.A)

違い5|「ミニシングルス」という公式バリエーションがある

2026年版ルールブックには、ミニシングルスという形式が収録されています(規則14.B)。ダブルスには存在しない、シングルス専用のバリエーションです。

ミニシングルスには、この節の修正を除き、すべての標準シングルスルールが適用される。(規則14.B)

要するに 「ハーフコートのシングルス」 です。

項目内容規則
コート標準コートを使う14.B.1
使える範囲各プレーヤーの点数に応じて、右か左の片側だけがインプレー14.B.1.a
境界線ベースライン・その側のサイドライン・センターライン。反対側はアウト14.B.1.b
追加のラインセンターラインをノンボレーゾーンまで延長する線を引く。色は他のラインと違ってよい14.B.1.c
立ち位置サーバーとレシーバーの位置は、それぞれ自分の点数で決まる14.B.2
ショットの落とし所相手側のインプレーになっている側に落とす14.B.3

標準シングルスとの決定的な違いは14.B.2です。標準シングルスでは「サーバーの点数」で2人とも位置が決まりますが、ミニシングルスでは各自が自分の点数で位置を決めます

なぜこの形式があるのか: 標準シングルスは1人で20ft幅をカバーするため、体力の消耗が激しくなります。ミニシングルスは走る範囲が半分になるので、シニアや体力に自信がない人でもシングルスの打ち合いを楽しめます。1面で2組が同時にプレーできるという運用上の利点もあります。

シングルスは何が難しいのか

ルールの差より、プレー感覚の差のほうが大きいというのが実感です。

ダブルスとの違い起きること
カバー範囲が2倍ネット際に張り付けない。ベースライン寄りのポジションが基本になる
左右に振られる相手はサイドラインぎりぎりを狙ってくる。切り返しの回数が激増する
キッチン戦が減るディンク(ネット際に柔らかく落とす)の応酬が起きにくい
サーブ・リターンの重みサーブ権が頻繁に入れ替わるため、1本のサーブの価値が高い
体力の消費ダブルスの数倍。1ゲーム11点でも息が上がる

初心者がいきなりシングルスから入るのはおすすめしません。 ラリーが続かず、コートの端から端まで走らされるだけで終わりがちです。ダブルスでラリーの感覚とキッチンの使い方を覚えてから移行するほうが、結果的に上達が速くなります。

上達の順番は初心者が最初に覚える5つのショットにまとめています。

シングルスで気をつけたい怪我のリスク

シングルスは左右への急な切り返しが非常に多い形式です。ランニングシューズのような前後方向に最適化された靴では、足首をひねるリスクが上がります。

インドアコート用シューズか、テニス・バドミントン用シューズを必ず使ってください。詳しくはピックルボールのシューズの選び方で解説しています。

よくある質問

Q. シングルスのときコートは狭くなりますか?

A. なりません。規則3.A.1が「シングルス・ダブルスのいずれの試合でも」20ft×44ftと明記しています。コート寸法の詳細はコートサイズ・ネットの高さ完全ガイドをご覧ください。

Q. シングルスでもツーバウンドルールはありますか?

A. あります。規則10.Aはシングルス・ダブルスを区別していません。サーブとリターンはそれぞれ1回バウンドさせる必要があります。

2バウンドルールの3コマ図解。サーブはレシーバー側で1回バウンドさせ、リターンはサーバー側で1回バウンドさせる。4打目以降はノーバウンドで打てる
ツーバウンドルールはシングルスにも適用される(規則10.A)

Q. レシーバーはどちら側で受ければいいですか?

A. サーバーの点数を見てください。偶数なら右のサービスコート、奇数なら左のサービスコートです(規則5.A.1)。自分の点数ではありません。

Q. スコアコールは誰がしますか?

A. 通常はサーバーです(規則6.B)。コール完了後10秒以内にサーブしないとフォルトになります(規則6.D.1)。

Q. シングルスの大会はありますか?

A. あります。規則15.Aで、男子・女子それぞれにシングルスとダブルスの種目が定義されています。国内の開催情報は大会・講習会一覧で確認できます。

Q. 2人しかいないときはシングルス一択ですか?

A. ミニシングルス(規則14.B)という選択肢もあります。走る範囲が半分になるので、体力差があるペアや、長くラリーを続けたいときに向いています。

まとめ

  • コートの広さはダブルスと同じ(規則3.A.1)。1人で2倍の範囲をカバーする
  • スコアコールは2つの数字。開始は「0 - 0」(規則6.B.1)
  • 立ち位置はサーバーの点数だけで決まる。レシーバーも同様(規則5.A、5.A.1)
  • 1回ラリーを失えば即サイドアウト(規則5.A.3)
  • パートナー起因のフォルトが存在しない
  • 体力的な負担が大きいなら、ミニシングルス(規則14.B)という公式形式がある

シングルスを試すなら、まずコートを確保するところからです。

👉 専用コートがある施設を探す 👉 全国のピックルボール施設を探す

ルール全体はピックルボールのルールを図解で解説、用語は用語集をご覧ください。


参考文献

いずれも2026年8月21日に内容を確認しています。

近くの施設をさがす

全国のピックルボール施設を都道府県・条件から検索できます。

施設をさがす

← ガイド一覧にもどる